豚マーシーの高原野菜バイト生活①
私は長野県のとある村でレタス農家を営んでいる52歳の男、名前は久保だ。
最も忙しい収穫期の4月~10月には、短期アルバイトを募集している。
思い出すのも腹ただしいが、過去にとんでもない男を雇ってしまいトラブルに巻き込まれたことがある。
今回はその話を語っていこうと思う。
毎年の恒例の事なのだが、繁忙期のバイトは最近ではネットで募集をかけている。
いちいち細かい前歴確認なんかはハッキリ言ってしない。
電話で面接をして、簡単な職歴を聞いて受け答えがおかしくなければ即採用、そんな感じだ。
ヤツとの最初の電話面接での出会いもそんな感じだった。
久保「マーシー君ね、年齢は38歳か。高原野菜の経験はあるの?」
豚「はい。私マーシーは専門学校時代の夏休みに高原野菜バイトの経験があります。
3年間毎年同じ農家さんにお世話になりました(ウソ。本当は最高でも18日目でバックレ)。
毎年農家さんのほうからお呼びがかかるぐらい、私マーシーは戦力にされていたんですね(ウソ)。
卒業後にワシの娘の婿に来て、農家を継いでくれないかと声がかかるぐらい、私マーシーは頼りにされていました(ウソ)。
あと、あまりにも有能であったために、私マーシーは…」
久保「ああ、うん、うんわかった。経験はあるんだね。じゃあ採用だ」
豚「あ、あと私マーシーはエアコンの製造工場で15年、エース級の働きを発揮しており、後継者として期待されていたんですが…(ウソ)」
久保「う、うん。君が有能なのはよくわかったからさ、いつから来れるの?」
そんな感じでの電話面接だけでヤツを採用した。
まさかアイツがそんなトラブルメーカーだなんてその時は思いもしなかったのだ…。
続く!